ラジオペンチ

●ラジオペンチの仕組と特長 〔使いみち〕

●ラジオペンチは、銅線や針金を切ったり、細工したりするために使用する工具ですが、ペンチよりも狭い個所の細工や、細い銅線や針金を切るために適した工具です。先の方は、銅線や針金、その他のものをつかむ役目をする所で、くわえ部と呼びます。くわえ部は、先端になるほど細くなっていて、その太さも、細いものや太いもの等いろいろあり、用途によって選び分ける必要があります。例えば、非常に狭い個所で、銅線や針金などを細工する場合には、くわえ部のできるだけ細いものが適しています。このくわえ部には、ものをつかんだ時にすべらないように、凸凹のすじが切り込んであります。

●刃部の刃は、ペンチよりも鋭くしてあり、非常に細い銅線や針金の切断に適しています。結合部は、かしめてありますが、すべりが良く、開閉はなめらかにできています。

●結合部が箱形のものと、丸形のものとの2種類がありますが性能はほとんど同じです。ペンチが強電関係に使用されているのに対して、ラジオペンチは弱電通信関係によく使われています。

12-1.gif

〔寸法種類〕
●ラジオペンチは、JISでは、呼び寸法が150mmだけですが、この他呼び寸法が125mm、175mmのものもあります。呼び方は全体の長さで表しますが、この長さは厳密なものではなく、呼び寸法が150mmの場合は、全体の長さが160mmを中心として、大きい方も小さい方も5mmの差があってもよいことになっています。従って、全体の長さが155mmから165mmまでのものを、150mmと呼んでいます。

〔使われている材料〕
●ラジオペンチに使われている材料は、JISによると、炭素工具鋼SK7または、はだ焼用の機械構造用炭素鋼SI5CK、あるいはそれ以上の品質のものとなっております。当然熱処理(焼入れ・焼戻し)がされていて、刃部の硬さは、ロックウェルCスケールで54~62となっています。なおJISでは、切れ味試験、変形試験、ねじり試験などについて厳しい規定があり、これらの規定に全部合格しなければならないことになっています。

(参 考)

●選ぶ時の注意:JISマークの入ったラジオペンチは、前に述べましたように切れ味や、ある力を加えた時のひずみ、変形などの試験がしてありますから安心ですが、不良品の場合は、針金を切ると刃に穴が開いたり、また先端が開いたりしますので、一般の工具と同様にJISマークの入ったものを、信用ある店で求めて下さい。

●その他のラジオペンチ:ラジオペンチは、弱電・通信関係で多く使用されますので、柄の部分にビニールを付着した電気絶縁の良好なものが作られています。その他、ラジオペンチの刃に、電線の皮(被膜)をむくために丸い穴が開いているものや、作業の能率を高めるために、柄のつけ根(また)にばねを入れて、開く場合に自然に開くようにした小型のラジオペンチがあります。

●ラジオペンチの使い方

〔使い方の注意〕

●ラジオペンチの使い方は、一方の柄に親指をかけ、人さし指と中指とを他方の柄の外側にかけて、くすり指と小指とは柄の間に入れます。こうすると開閉が片手で自由になり、作業が楽にできます。また、なるべく柄の先の方を持った方が強い力がでます。針金などを切る時は、ある程度の力を加えても耐えられるようになっています。

●強く押さえることはよいのですが、こじるのは壊れる原因になりますから、こじらないようにして下さい。

●ラジオペンチでワイヤを切りますとその切り口は、平らにならず山形になります。平らの面から飛び出している針金を、平らの面に合わせようとしてラジオペンチで切っても、平らにはなりません。これはラジオペンチの刃が、表面・裏面ともに、山形に傾斜を付けてあるからです。平らに切断しようとする場合は、ニッパを使って下さい。

12-2.gif