めがねレンチ
●めがねレンチの仕組と特長〔使いみち〕
・めがねレンチは、オフセットレンチまたはダブルオフセットレンチとも呼ばれ、六角頭ボルト・ナットの頭にはめこむくちが両側についている工具です。主に自動車の組立てや、整備に使われています。
・両端のくちは、六角を2つに重ねた(二重六角)12角で、くちの厚みいっぱいに、波形のみぞを切った形になっていて、寸法の合ったボルト・ナットにはめこめば、外れることはありません。写真のように柄が曲がっていて、ボルトのそばに障害物があっても、自由に締付けることができるように使いやすい形になっています。
・この柄の曲がり角度は、15度のもの、あるいは45度のものがありますが、60度というものもまれはにあります。
・めがねレンチは、口の二面幅寸法の種類によって、ミリメートル式とインチ式に分かれています。ミリメートル式はJISで決められていて、メートルネジに使われます。インチ式はインチ寸法をもとにしていて、外国規格のねじに使います。自動車には、外車はもちろん国産車でも、自動車ねじ(UNC、UNFなどの記号で表す)と呼ばれる、アメリカ規格のボルト・ナットを使っているのもがあります。このボルト・ナットは、インチ式でないと合いません。ウイットねじのボルト・ナットは、インチ寸法をもとにしたねじですが、頭の寸法はメートルねじのボルト・ナットに統一してありますので、JISに決められためがねレンチが使えます。インチ式は、JISから除かれてからは徐々に使われなくなっています。


●めがねレンチの使い方
〔使い方の注意〕
・めがねレンチは、六角ボルト・ナットの頭に正しく合った寸法のものを使って下さい。ボルト・ナットの二面幅は、めがねレンチの口の内側の面にぴったりついていませんと、力を入れた時、六角頭の角を丸くしたり、めがねレンチがから回りすることがあり、大変危険ですから、よく注意して下さい。
・めがねレンチは、スパナよりも強度が大きく、はめこめば外れにくく、またナットの角が全部のめがねの角に当たって、強力に締付けることができます。
〔使われている材料〕
・めがねレンチの材料は、クロムモリブデン鋼SCM 435相当の性能を持つ材料が使われています。完全な熱処理(焼入れ・焼戻し)を行い、硬さは原則として、ロックウェルCスケールの37~48になっています。
●めがねレンチの種類
〔寸法種類〕
・めがねレンチは、両端のくちの大きさ(二面幅といいます)を組合わせて呼びます。一方、二面幅が10㎜で他方の二面幅が12㎜の場合は、10×12と呼びます。わが国では、インチを使っていないため、仮に記号として表しています。例えば、くちの二面幅寸法が9/16インチのものは、9/16と呼びます。
・大きさの種類は、JISでは8×10から24×27まで、25種類だけが決められています。
・なお、この他に全体の長さが普通のものより短くできている矩形めがねレンチがありますが、これは3丁組セットになっているものが多いようです。3丁組は、 10×12、14×17、19×21、6丁組は3丁組に12×14、17×19、23×26が加わって増えます。インチ式では3/8×7/16、1/2× 9/16、5/8×11/16の各寸法がセットされ、6丁組は、3丁組に3/4×25/32、13/16×7/8、15/16×1が加わって増えますが、 JISから除かれてからは、徐々に使われなくなっています。
(参 考)
・S 形オフセットレンチ-柄に対してくちが45度の角度を持っているもの。ちょうどその形がS字形になるので、S形あるいは両口めがねと呼ばれています。これは普通のめがねレンチとちがって、柄が曲がっていません。くちだけが角度を持っていますので、使う場所によっては大変便利に使えます。これには、片口だけのものもあります。

・オフセットレンチの柄尻に、シノの付いた組立めがねレンチと呼ばれるものもあり、ボルトの穴合わせに便利です。
・S形片口めがねレンチの柄尻にシノの付いた、取付めがねレンチと呼ばれるものもあり、ボルトの穴合わせに便利です。シノの端が薄くなっていて、バールにも使えて大変重宝がられています。

・めがね叩スパナ-上記レンチ類で大形のボルト・ナットになると、人が手で締めても強くて締まらないものがあります。このめがね叩くスパナは、そのような時に、スパナの柄尻にロープを通し、締付け方向に引っ張りながら、叩部をハンマで叩くようになっていて、叩いて増締めしたり、さびついたナットをゆるめたりする時に使用します。



