ボトルクリッパ
●ボトルクリッパの仕組と特長〔使いみち〕
・ボトルクリッパは、主として線材(ピアノ線およびこれに類するものは除く)、棒鋼、硬銅線、より線(ワイヤロープ、PC鋼より線、およびこれに類するものは除く)などを切断する工具です。
・ボトルクリッパは、大きく分けると刃とハンドルからなっていて、メーカーによってその機構は多少ちがいますが、原則的には、テコの作用を2段に応用したものです。ハンドル末端に加えた力が、切断部の刃先では、呼び寸法により20倍から50倍の力となり、線材などを簡単に、しかも少ない力で切断します。

〔寸法種類〕
・ボトルクリッパの寸法は、全長で呼びますが、実際の長さは、呼び寸法より少し長めに作られています。
・呼び寸法は300mmから1050mmまでの7種類があり、刃先の形状も、図1の両刃と図2の片刃の2種類があります。呼び寸法と実際の寸法との関係は、JISで表1のように決められています。

| (表1) | |||||||
| 呼び寸法(mm) | 300 | 350 | 450 | 600 | 750 | 900 | 1050 |
| 全長(mm) | 310 | 360 | 460 | 615 | 765 | 915 | 1070 |
| 許容差 | 15mmまで大きな 寸法になってもよい |
20mmまで大きな 寸法になってもよい | |||||
〔使われている材料〕
・線材や棒鋼などを切断するには、刃やハンドルに大きな力がかかりますので、全体に頑丈にできています。刃は、炭素工具鋼かバネ鋼を使用し、ハンドルは機械構造用炭素鋼鋼管と鍛造品の組合わせが一般的で、他にダクタイル鋳鉄、アルミニュームのものもあります。刃部は熱処理がなされ、刃先の固さはロックウェルC スケールで52~62です。
・試験は実際に棒鋼などを切って、結合部の状態や、切断荷重などの検査を行っています。
〔刃先すき間の調整〕
・切断部の刃先すき間を調整する機構として、国内では、図3に示す調整フレーム式と、図4に示す偏心ボルト式の2つが主に使われ、細い線材などを切断した時、切れ落ちない場合があります。そのような時に、調整フレームや偏心ボルトを使って、下記・左図に示す刃先のすき間が少なくなるように調整します。
・刃は取外しができるようになっていて、切れなくなった場合は新しい刃に取り替え、長く使用することができます。もちろん刃だけでも購入することができます。

(参 考)
・アンルグルカッタ:ボルトクリッパの刃を、合理的な角度に曲げ、鉄筋コンクリート工事などの際、外へ出ている鉄筋などを根元から切断することができる工具です。呼び寸法や、切断できる最大太さも、ボトルクリッパとまったく同じで、刃を交換すればボトルクリッパとしても使えます。
●ボトルクリッパの使い方
〔使い方の注意〕
・ボトルクリッパは、工事現場などで、線材や棒鋼を切る時に使う工具ですから、丈夫に作られていますが、ハンドルをハンマーで叩いたり、図7のように、身体をハンドルに乗せて、反動をつけて切ったりすることは危険です。また図6に示すように、刃の先端部で切断せず、図5のように刃の中央部で切断して下さい。
・刃先すき間の調整が不完全で切落ちないため、ボトルクリッパを図8のように”こじ”たりしますと、刃先が欠け、飛び散る場合があり、非常に危険ですので絶対にしないようにして下さい。また、投げたり放りつけたりしますと、刃先が欠けたり、刃が割れたりします。手荒な扱いをしないように、注意することが肝要です。
ボトルクリッパの呼び寸法と、切断できる最大太さの関係は、JISで決まっていますが、より安全に、より長く使っていただくために、メーカーでは、線材や棒鋼の固さと、最大太さを表2のように決めていますので、その範囲内で使用して下さい。

| (表2) | ||||||
| 切断機 種類呼び寸法 |
切断できる最大太さ(mm) | |||||
| JIS規格 | HRB80 50kgf/mm2 |
HRC20 75kgf/mm2 |
HRC31 100kgf/mm2 |
HRC40 130kgf/mm2 | ||
| 標 準 品 |
300 | 4 | 5 | 5 | - | - |
| 350 | 5 | 6 | 6 | - | - | |
| 450 | 6 | 7 | 7 | - | - | |
| 600 | 8 | 10 | 9 | - | - | |
| 750 | 10 | 13 | 11 | - | - | |
| 900 | 13 | 16 | 13 | - | - | |
| 1050 | 16 | 18 | 15 | - | - | |
| 硬 鋼 線 用 |
450 | - | 7 | 6 | 6 | - |
| 600 | - | 10 | 9 | 8 | 8 | |
| 750 | - | 13 | 11 | 10 | 9 | |
| 900 | - | 16 | 13 | 12 | 10 | |
| 1050 | - | 18 | 15 | 14 | 11 | |



