スパナ
●スパナの仕組と特長〔使いみち〕
・スパナはごく普通の作業工具で、ボルト・ナットの締付けや取外しに使われる工具です。ボルト・ナットは、機械・車両・エンジンなどでかならず使われ、また建築関係や家庭でも使われています。スパナは、ボルト・ナットのあるところには必ず必要で、非常に広汎に使用されています。
・スパナで、一方だけに口を持ったものを片口スパナ、両方に口を持ったものを、両口スパナと呼びます。また頭の形が、丸形と、とがっているやり形とがあります。
・丸形には等級が、普通級(記号でNと表す)と強力級(記号でHと表す)の2種類あります。一般には丸形のH級が多いのですが、使う場所によっては、やり形のほうが便利なことがあります。なお自動車用には、やり形が多く使われています。
・スパナは、くちの二面幅寸法(呼び)で大きさを表し、ミリメートルで表示し、JISのボルト・ナット規格及びISO(国際規格)に整合しています。JISでは、スパナの呼びと適合するボルト・ナットの呼びを表示してよいことになっていて、それぞれ表裏に表示しているメーカーもあります。
・硬さは頭部面の所を測定し、丸形普通級では、ロックウェルCスケール 36以上、強力級ではHRC 39以上、やり形も同じくHRC 39以上と決めています。
〔寸法種類〕
・片口スパナの丸形の普通級・強力級ともに、呼び5.5から80までの27種類と、やり形(記号でSで表す)は呼び5.5~30までの22種類がJISで決められています。なお普通級の強さの1.5倍が、強力級として強さによる等級が決められています。
・両口スパナは、両端の二面幅寸法の組合せを、例えば10×12というように呼びます。丸形は5.5×7から46×50まで42種類、やり形は5.5×7から30×32までの35種類があり、JISで決められています。
・スパナの全体の長さや厚みは、JISで決められていますが、JISより長さを長くしたり、厚みは薄くして使いやすいようにしたものも作られています。角度は、柄の中心線に対して口の曲がり角度が約15度とJISに決められていて、これが普通ですが、別に23度のもの、または0度で柄に対して口が曲がってないものもあります。
・他に六丁組スパナといって、両口スパナ6丁をセットにしたものがあります。これは通常、呼び8から23mmまでを組合わせてあります。
(参 考)
・打撃スパナ:ボルト・ナットが大きくなると、普通のスパナで人が手で締めても、強く締まらないものがあります。このような時に使うスパナがあります。これは、柄尻の穴にロープを通し、引張りながら柄尻の叩部をハンマで叩くようになっていて、叩いて増締めしたり、さびついたナットをゆるめたりする時に使います。
・タペットレンチ:これは、自動車のエンジンの調整用に使うスパナをセットにしたものです。このスパナは全長が普通のものより長く、また厚さが薄くなっています。両口スパナ3種類を2丁ずつ6丁組にしたものと、ミリメートル式・インチ式合わせて3丁組を組みにしたものとがあります。口の角度が15度のものの他に、一方が真直ぐで、他の一方が15度の組合わせになっているもの、両方とも真直ぐなものなどもあります。
・イグニッションレンチセット:セットに入っているスパナ11×12が一番大きいもので7~8丁組みになっています。この両口スパナは、一方がくちの角度15 度で普通ですが、もう一方は60度と大きく曲がっている特殊なスパナです。自動車整備用に使い、プライヤ、ニッパなどといっしょに、携帯袋の中にセットされています。
・インチ式スパナ:インチ式はISO及びボルト・ナットのJIS規格にもなくなりましたので、必要な場合は、メーカーに特別注文して下さい。
●スパナの使い方
〔使い方の注意〕
・スパナは、ボルト・ナットの六角頭に正しく合った寸法のものを使って下さい。ボルト・ナットの二面幅は、スパナのくちの内側の面がぴったりついていませんと、力を入れた時に、スパナが外れることがあります。これはねじの頭を丸くしたり、スパナを悪くするばかりでなく、大変な怪我をすることにもなりますから、よく注意してください。
・ボルト・ナットを締める時は、はじめに手で締められるだけ締めて、そのあとでスパナで回します。スパナを回して、もうそれ以上締められなくなった時に、力を強く入れて締付けておきます。この時、スパナは締付けるボルト・ナットを、心もち押しつけるようにしてハンドルの端を握り、ボルトを中心に円運動させるように力を入れて下さい。外わきの方へ力を入れたりしますと、外れることがあります。スパナの口の先の方だけが、ボルトの頭について柄の先が上にあがっているような形で回しますと、やはり外れる危険があります。固く締まって取れない時は、固着防止剤を塗り、十分浸透してから再度力を入れますとゆるみます。



