吊クランプ
●吊クランプの仕組と特長〔使いみち〕
・鉄板、型鋼(H型鋼、L型鋼、溝型鋼等)、鋼構造物、コンクリート製品など重量物をワイヤーロープを巻いて吊り上げるかわりに、レッカーやクレーンのフックに取りつけた吊クランプで直接鉄板等をつかみ、吊り上げ、運搬、反転、敷設などの作業ができるものが吊クランプであって、安全性と簡便な作業性をもった便利な玉掛け用具であります。いまやクランプは、鉄工・造船・機械・鉄骨・橋梁・建築・土木など多くの業界で、安全吊具として欠かせないものになっています。
・クランプの構造:クランプは重量物を吊り上げて運搬するために、外れたり、滑ったりしないように、吊り上げ重量に応じ、ますます強い力でかみこむ機構となっています。また、吊り上げ物をつかんだ時ロック式になるものや、着脱に便利なように開放式になったものや、両者をワンタッチで兼ねているものなどがあります。

〔寸法種類〕
・吊クランプは、吊る物の形状、寸法、吊り方、重さにより非常に多くの種類があります。
メーカーによって、型式の呼び方はそれぞれ違いますが、容量は定格荷重を表し、クランプ範囲はくわえる部材の厚さを表示しています。その主な種類は次のとおりです。
・竪吊クランプ
主に鉄板などをくわえて、引き起こし、竪に吊り上げて運搬し、反転する作業に使用するクランプで、容量は1/2ton~10ton、クランプの範囲はその容量に応じて10mm、20mm、30mm、50mmなどの種類があります。
・横吊クランプ
H 型鋼、L型鋼やそれらの構造物を水平(横吊り)にクランプして吊り上げるもので、鉄骨建築、橋梁など構造建築に安全吊具として広く使用されています。この他、建築用としては、角コラム吊もあります。このように、用途に応じていろいろな種類があり、容量は1tonから5tonのものが一般に市販されています。
・フック(ハッカ)
平鉄板の4ヶ所にフックをかけ、ワイヤーで絞り水平に吊るもので、DL型、カム付き型などがあります。<容量は1~5tonのものが一般的です。

・土木用クランプ
コンクリート製のU字溝、フリューム、溝蓋、L型コンクリート、マンホール、間知ブロックなどをレッカー等で吊り上げ、積み込み、積み降ろし、あるいは現場での敷設用に使われるクランプです。これも用途に応じ多くの種類と容量のものがあります。

・無傷クランプ
最近、構造物の安全施工のため、鉄板や型鋼に傷が付いてはいけない部材が増えてきました。そのために竪吊、横吊、カム付きフックなどに無傷クランプが開発されました。これは、鉄板、形鋼の他、ステンレス鋼、アルミ、銅板などにも利用されています。
・その他のクランプ
吊り上げ物の種類や用途、吊り方によって、いろいろなクランプが開発されています。例を上げれば、丸棒、パイプ、ドラム缶、1斗缶、ビーム、L型ロンジ、安全帯用鉄筋バー、さらには、ALCなどの壁材等々、たいへん多くの種類があります。
●吊クランプの使い方
〔使い方の注意〕
・クランプの選び方
吊り上げ物の形状、容量、クランプ範囲を選定して下さい。特にクランプ本体に、容量(定格荷重)が表示してあるものを、お選び下さい。またひとつのクランプが、必ずしも万能ではありませんので、ご注意下さい。
・使用上の注意
どのクランプにも、取扱説明書がついていますので、よく読んでご理解を得た上で、正しくお使い下さい。使い方を誤れば大きな事故のもとになります。



